不動産コラム【R6/12/5】防災・減災と不動産 ~ ⑤耐震・制振・免震構造

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全国各地で風水害や地震などの自然災害が数多く発生しています。いつ、どこで発生するのか、どのくらいの規模なのか、というのは分かりませんが、それらに備えることはできます。100%災害を避けることはできなくても、被害をなるべく少なくすることは、私たちの命を守るためにも重要なことなので、少しでも災害に強い生活を送れるようにしたいものです。

地震に対して建物の安全性を確保するための構造として「耐震構造」「制振構造」「免震構造」があります。

それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。

耐震構造

建物そのものの強度を増すことによって、地震力に耐える構造をいいます。現在、日本の多くの住宅で取り入れられている工法です。柱や梁の鉄筋の数を増やしたり、柱が地震に耐えられず倒壊したり破壊してしまう事を防ぐために鉄筋の間隔を狭くするなど、構造部材の強度を上げることで丈夫な構造物とすることを主な目的としています。また、あらゆる方向から来る揺れに耐えるために、耐力壁を建物全体にバランスよく配置する必要があります。

既存建物の耐震力を強化する場合には、炭素繊維や鉄板等を用いて補強したり、耐震壁などを設ける改修方法があります。

耐震構造のみの対処では、制振構造や免震構造を採用した場合と比べると、地震エネルギーがそのまま加わるために、建物の変形・損傷が大きくなることに注意する必要があります。

制振構造

建物の共振を抑えるための装置を設置することによって、地震による揺れを小さくする構造をいいます。水や重りなどを共振させることで揺れを制御させる方法や、振動をセンサーで感知して制御させる装置などが用いられることが多いです。高層マンション、高層ビルなどの高い建物は、上の階になるほど揺れが大きくなる傾向がありますが、制振構造を取り入れることによって、揺れの増幅を緩和できます。

【共振】とは・・・地震の揺れの周期と建物そのものが揺れる周期が一致することによって、建物の揺れが更に大きくなる現象のことです。短い周期の地震動では、木造住宅などの高さの低い建物に大きな被害をもたらす特徴があります。阪神大震災や熊本地震でもこの揺れが起きたと言われています。長周期地震動では、マンションや高層ビルなどの高さの高い建物で揺れが増幅します。

免震構造

建物と地盤を切り離すので、地震の揺れを直接建物に伝わりにくくする構造です。基礎部分にゴムと鉄板を交互に重ね合わせた『積層ゴム』と呼ばれる地震力を軽減する免震装置や、ダンパーなどを設置し、地震エネルギーを吸収します。地震によって生じる建物の移動を元に戻す力があるので、建物を倒壊しにくくします。

基礎免震のほかにも、中間階に免震装置を設けた中間階免震などと使い分ける場合があります。免震構造は、耐震構造に比べて建物の揺れを1/3から1/5に抑えることができるといわれ、高度な耐震性能を有しています。

 

耐震構造・制振構造・免震構造それぞれにメリット・デメリットがあります。補強工事と一口に言っても、内容によっては工期を短く、台風などの強風にも耐えることができます。また、工法によっては費用が高かったり、メンテナンスを要したり、地盤によっては十分な効果を得られない場合もあります。

今後住宅を選ぶ場合には、今一度耐震・制振・免震の構造、地盤などについて確認し、どんな地震対策が備わっているか、どの補強工事が必要かをチェックされるとよいでしょう。

 

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