インターネットの普及がもたらした不動産流通システムの変化

“不動産を買いたい”と考えた方が情報収集を始める入口は、今やインターネットが多数派となりました。不動産会社各社のホームページでも“豊富な物件情報”を競い合っており、スーモ、YAHOO!不動産、アットホーム、HOME’S…といった不動産ポータルサイトの認知度も高まりました。この不動産購入に関する状況を裏返せば、不動産を売却する際にも“いかに効果的にインターネットを利用するか”ということが重要になってきていることをあらわしています。インターネットが普及する前の時代では、売主様から売却の依頼を受けた物件情報をより多くの方に伝えるために「紙媒体の広告」や「自社の店舗網等のネットワーク」が必要となり、それを満たすためには多額の費用が必要でした。
(下図参照)

そのため、不動産の売却については、前述の要件を備えた大手仲介業者に売却の依頼が集中する傾向にありました。

インターネットが普及する前の不動産仲介の流れ

しかし、この流れが今では崩れ去りました。それは買主様の物件情報を集める入口が「紙媒体の広告」や「不動産業者の店頭へ出向く」という方法から“インターネットで検索する”という方法に変わってきたからです。この変化に対応し、不動産業界でも業者間で情報交換をリアルタイムに行うことができるコンピューター・ネットワークシステムが構築されました。それが、不動産流通機構が運営する『レインズ』です。売主様が、たった1社の仲介業者に販売を依頼し、その仲介業者が『レインズ』に物件情報を登録するだけで、その物件情報を欲しがる全ての不動産業者に“一瞬にして情報が伝わる”のです。そして、その情報を入手した不動産業者は自社の購入見込みのお客様へ物件情報を提供します。
(下図参照)

インターネットが普及する前は、物件情報が販売窓口となる1社だけで処理されることが大半でした。しかし、インターネット(『レインズ』)の普及により、物件情報をより多くの不動産業者に広めないことには、スムーズな売却が出来なくなりました。

レインズを使った不動産仲介の流れ

また、新聞折込チラシやインターネット上で、“同じ物件が、いろいろな業者から広告されている”のを見て不思議に思われたことはありませんか?この状況もインターネット(『レインズ』)の普及によりもたらされたものです。
例えば、弊社が売主様から不動産の売却依頼を受け、『レインズ』に物件情報を登録した場合、売主様が他業者からの広告掲載を了承されれば、どこの不動産業者からでも、新聞折込チラシ・インターネット等を通じて広告の掲載が可能です。

その広告に必要な費用は、当然広告を掲載する側の不動産業者が負担しますので、何十社から広告が掲載されたとしても、売主様に費用負担が発生することは一切ありません。

どこの不動産業者も、集客活動を行うにあたり、莫大な物件情報を自社だけで集めるには限界がある為、『レインズ』の物件情報から“「お客様を呼べる物件」を広告用として借りてくる”という作業を行っているのです。

インターネットが普及する前の時代、売主側の不動産業者に求められていたものは、『店舗網等の自前のネットワーク力』と『広告等を十分に掲載できる潤沢な資金力』だったのですが、インターネット(『レインズ』)が普及した現在では、『インターネットを駆使し、物件情報を効果的に広めていく力』と『不動産業者等から集まった問い合わせに対しての管理・調整力』にシフトしてきているのです。