不動産コラム【R6/11/22】防災・減災と不動産 ~ ④耐震基準

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日本では多くの地震や、「数十年に一度」と言うような大規模な風水害が全国各地で発生しています。いつ、どこで、どのくらいの規模で起こるかというのは分からないので、防災・減災を考える上で様々な面から備えることは非常に大切です。なるべく安全に、安心した暮らしができるよう、今回は耐震基準についてご紹介します。住宅を購入する際の参考にしてみてください。

耐震基準:建物が地震の揺れに耐えられる強度があるかどうかの基準

耐震基準とは、建築基準法で定められている基準のことで、一定の強さの地震の揺れに対して、建物が倒壊せずに耐えられる強度を指します。日本の耐震基準は、建築基準法が施行された1950年に制定されました。その後大きな地震が起きる度に見直され、改正が行われてきました。これまでに1971年、1981年、2000年に大きな改正が行われています。

旧耐震基準(1950~1981年)
旧耐震基準では、震度5程度の地震には耐えられ、大きな損傷は受けないということが構造の基準とされていました。しかし、1978年に起こった宮城県沖地震の被害が大規模なものであった為、この旧耐震基準の見直しが行われました。

新耐震基準(1981~2000年)
次に制定された新耐震基準は、過去の研究や地震で経験したことを反映し、震度6~7程度の大規模な地震で倒壊や崩壊をしない、ということが求められています。また、この新耐震基準においては、地震の際に建物に多少の損傷を受けたとしても、建物の中にいる人の命を守れるように、といった基準も設けられています。

現行の耐震基準(2000年~)
1995年1月に発生した阪神淡路大震災における住宅被害によって、現行の耐震基準に改正され、「2000年基準」や「現行の耐震基準」とも呼ばれるようになりました。特に木造住宅の耐震基準が見直されることになり、木造住宅の建築において、どのくらいの重さに耐えることができるのか、地盤調査を行うことが必須となり、その測定結果に合う基礎構造にすることが求められました。また、柱や筋交いを固定する接合部に使用する金物が指定されたり、耐力壁の偏りがないようにバランスよく配置する等、細かく明確な基準が設けられています。

 

また、新耐震基準を満たしている住宅には、住宅ローン減税や登録免許税、不動産取得税など、税制上の優遇を受けることができます。新耐震基準を満たしているかどうかは、建物の登記簿謄本や建築確認通知書、建築確認済証などで確認ができます。中古住宅でも修繕やリノベーションなどによって耐震の改修工事を行っており、新耐震基準を満たしていれば、税優遇を受けることもできますが、耐震性を証明する必要があります。「耐震基準適合証明書」や「住宅性能評価書」などを取得しなければなりません。

 

耐震基準は、大きな地震が起こっても安全に住み続けることができるということの保証ではありません。そこに住んでいる方の命を守るための家づくりにおける基準の一つです。
1981年以前の旧耐震基準で建てられた戸建て住宅やマンションでも、つくりがしっかりしており、耐震性が備わっているものもあります。もし、購入を検討している物件や、現在お住まいの建物が現行の耐震基準を満たさないと判明した場合でも、耐震診断を行ったり、耐震改修工事をすることで、現在の基準に則った耐震性を確保することができます。

 

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