不動産トラブル【14】契約不適合責任(排水設備の瑕疵)

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「新築同様フルリフォーム」広告のマンション設備の不具合!

Question

令和2年8月、買主Aは、売主Bから既存マンション(築40年)を購入しました。ところが、Aがキッチンの流し台に多めの水を流すと、最終的に流れきるものの一時的に水が滞留してしまい排水溝から空気が噴出することもありました。なおAがこのマンションを購入した際、「新築同様にフルリフォーム完了」という宣伝文句で売りに出されていました。

AはBに対して、排水溝の不具合が契約不適合であることを理由に、損害賠償請求を行うことが出来るでしょうか。

 

Answer

既存マンションの不具合の程度を考慮すると責任は認められない。ただし、広告においては正確な記載を!

既存マンションの売買において、設備に不具合がある場合、建物に付属する設備が「品質…に関して契約の内容に適合しない」すなわち契約不適合として損害賠償を求められることがあります。売買の目的物件に契約不適合がある場合、基本的に、売主は買主に対して、補修や代金減額、損害賠償や解除といった契約不適合責任を負います。

居住用物件の設備は、実際に使ってみるまでは動作の様子や機能の程度がわかりません。そのため、設備の不具合はトラブルが生じやすい類型の一つです。そこで、売主の提出する物件状況報告書の設備表等を活用して、設備の状況に関する買主・売主間の認識のズレを減らすことが有用です。さらに平成30年に施行された建物状況調査(インスペクション)のオプション調査において給排水設備等を調査し、正確な状況を把握することも、トラブル防止に役立つでしょう。また本事例では「新築同様にフルリフォーム完了」という広告が論点の一つになっています。今回同様の裁判例では建物の客観的状況等に照らして瑕疵の判断に影響を及ぼさないと評価されています。しかし広告において数値を用いるなど明示的に性能を保証している場合、その性能を備えていないことが契約不適合(瑕疵)であると認められことがあるため、広告の内容や表現には注意が必要です。