不動産トラブル【6】説明義務(建築基準法違反)

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買主が事業者でも法令違反か調査する必要は?

Question

給油所を経営するAは、不動産会社Zから土地建物(給油所とその敷地)を購入しました。しかし、当該建物は竣工時に完了検査を行っていなかったため、建築基準法や都市計画法に違反した状態になっていたこと、開発許可申請の際に提出した図面の通りに排水施設が設置されていなかったことが後日判明しました。

そこで、Aは、前記の売買においてZに調査説明義務違反があると主張し、排水施設工事の費用の賠償を求めました。一方で、Zは、Aは給油所を経営している事業者だから今回の取引では、A・Z間に契約締結に必要な知識・情報について格差はなかった、前記売買は現況有姿売買であったとして、調査説明義務違反はなかったとしています。

Answer

説明義務は免れません。もっとも、買主の過失が斟酌され、損害賠償額が減額される場合があります。

不動産会社は、自ら不動産の売買の当事者となる場合や売買契約の媒介を行う場合には、取引の相手方に対し、契約の重要事項について説明する義務を負担しています。

建物を使用するためには完了検査を得ていることが必要ですが、売買の目的物が法令に適合していない場合には、原則としてその旨を買主に説明する必要があります。たとえ取引の相手方が契約締結に要する知識をを有していたとしても、不動産会社は、重要事項の説明義務を免れるわけではありません。

もっとも、本事例では、買主の過失が斟酌されて損害賠償額が減額される余地がありますが、通常の事案では、取引当事者あるいは仲介事業者として関与する不動産会社が不動産取引の専門家として知識を有するのに対し、消費者である相手方には、法規制等に関する知識がないため、過失相殺が認められることは多くはないと思われます。