不動産トラブル【8】重要事項説明書の誤記

 カテゴリー:   タグ:  |

重要事項説明書に誤記があった場合、必ず契約は解除?

Question

Aは、不動産業者Zから、令和2年1月20日に土地建物を1000万円で買い受けました。重要事項説明書には「当該土地は幅員4mの私道に4m接面している」と記載されていましたが、実際は、当該土地は私道と2m以上接しているものの、私道の幅員は2m程度しかなく、当該土地上の建物を再建するには、行政庁の許可が必要である(建築基準法第43条2項2号)ことが判明しました。

そこで、Aは建築許可を得るために行政庁の許可が必要であることは、隠れた瑕疵に当たるとし、Zに売買契約の解除を求めています。Zは、売買契約前に、Aが、現地で私道の幅員が4mに満たないことを確認しており、その際、Zから私道の幅員は狭いが、条件付きで建物の建て替えは可能であるとの説明は受けたはずだから、隠れた瑕疵はなく、契約解除は認められないとして争っています。

Answer

記載事項の確認は慎重に行うべきだが、契約不適合責任を追及される可能性は低い。

改正民法が令和2年4月1日から施工されましたが、本事例は改正以前の売買契約となっています。改正前の民法第570条、第566条は、売買の目的物に隠れた瑕疵があり、そのために契約の目的を達することができない場合は、買主は売買契約を解除するとことができると規定していました。

本事例では、売買契約前に、Aは、現地で土地の建物の状況を確認していますが、私道の幅員は2m程度しかなかったため、幅員が4mに満たないことは不動産取引の素人であっても確認できたはずです。

なお、売買契約の締結が令和2年4月1日以降であった場合には、改正民法の適用となりますが、改正民法では、売主の瑕疵担保責任は、契約不適合責任に改正されました。契約不適合責任では「隠れた」要件が撤廃されたため、買主が契約不適合の事実を知った場合でも、売主は当然に契約不適合責任を免れるわけではありません。