行政窓口での調査(公簿等調査)第四回:注意すべき登記事項と区分建物の登記記録
今回は登記事項の注意点や区分建物の登記記録についてご説明します。
登記記録の調査 ⑦注意すべき登記事項
1.抵当権 : 債務者(抵当権者)に対し、債務者または第三者(抵当権設定者)が債権の担保とした物を、抵当権設定者に利用させながら、返済がされない場合には、債務者が優先的に弁済を受けることができる権利です。権利部(乙区)に記録されます。根抵当権とは、継続的な取引の契約によって生じる債権などのように不特定の債権を、極度額まで担保する抵当権のことです。
2.所有権の仮登記 : 本登記をするのに必要な手続上・実体法上の要件が整っていない場合に、登記記録上の順位を確保しておくために行われる、予備的な登記です。対象物件に仮登記がされていた場合、その抹消の有無・予定等について、仮登記権利者および売り主(所有者)に確認しましょう。
3.処分の制限の登記 : 民事執行法、民事保全法等の規定による差押え、仮差押えの登記の総称です。この登記がある場合、競売の開始や、所有権関係について紛争などがあることが予測されます。
登記記録の調査 ⑨区分建物の登記記録
区分建物については、一棟の建物の表題部と、一棟の建物を区分した各専有部分の表題部、権利部により、登記記録が作成されます。各専有部分が一棟の建物の中で占める位置関係や、他の専有部分との関係を登記記録上明らかにするためです。二つの表題部を両方とも調査する必要があります。区分建物には特有の表示があります。
1.表題部(一棟の建物の表示)
・専有部分の家屋番号:一棟に存在する専有部分の家屋番号の一覧表
・建物の名称:建物を特定するために付けられた名称(マンション名など)
・表題部(敷地権の目的である土地の表示※敷地権登記のない区分建物の場合、この欄はありません):土地の符号、所在及び地番、地目、地積
2. 表題部(専有部分の建物の表示)
・不動産番号:登記所が定めた13桁の番号
・家屋番号:地番区域も含めた番号
・建物の名称:部屋番号などその専有部分を特定する表示
・表題部(敷地権の表示※敷地権登記のない区分建物では、この記録はありません):土地の符号、敷地権の種類、敷地権の割合、原因およびその日付
3.権利部(甲区)、権利部(乙区)
「敷地権登記のある区分建物」の場合、専有部分の甲区、乙区に登記された内容は、原則として土地(敷地)に関しても同一の原因、同一の内容の登記がされたものとして効力を有します。
敷地権登記のない区分建物においては、「土地」と「建物」の両登記記録を取得・確認する必要があります。その両方の情報を得たうえで、内容の不適合がないかどうか、登記漏れや不備について調査することになります。
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