不動産コラム【R5/9/14】物件調査の概要

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行政窓口での調査(公簿等調査) 第二回:登記の効果と図面等の調査

前回に引き続き、行政窓口での調査(公簿等による調査)についてご説明します。    

登記記録の調査 ④登記の効果

登記記録は、不動産登記制度によって、土地や建物の所有者、抵当権など、その不動産に設定されている権利や内容などが示されており、誰でも閲覧が可能なので、登記内容を知ることができます。なお、我が国の不動産登記制度には、公信力が認められていない為、登記記録を信頼して不動産取引を行ったとしても、真の所有者が他にいた場合には、権利を取得することができません。

登記された内容であっても、固定資産税などの公租公課の納税者・登記記録との相違を想起させる事情等の確認や、周辺で聞き込み調査などを行って、総合的に判断をする必要があります。

登記記録の調査 ⑤公図・地積測量図・建物図面等の調査

登記記録や登記済証(登記識別情報)等には、実際のところ、土地や建物がどこに位置して、どのような形状や区画であるかまでは分かりません。この点について不動産登記法は、各筆の土地の区画及び地番を明確にした地図(14条地図)を、各登記所に備えるものと定めています。土地に関する図面としては、公図・土地所在図・地積測量図・地役権図面、建物に関する図面としては、建物所在図・建物図面・各階平面図などが整備されているので、これらも調査に利用することができます。

このうち、公図、地積測量図、建物図面・各階平面図をご紹介します。

  • 公図:登記所が管理している旧土地台帳附属地図のことです。14条地図が整備されるまでの補完的図面として取り扱われます。土地相互の位置関係はおおむね正しく表示されている場合が多く、土地特定の手がかりとして活用されています。縮尺は原則として600分の1ですが、それ以外に種々のものがあります。
  • 地積測量図:土地の面積を記載した地図です。原則として250分の1の縮尺で書かれており、土地の表題登記、地積の変更や更正・分筆の登記などの申請時に添付することとされています。すべての土地について地積測量図があるわけではありませんが、この写しを取得することで、土地の実測面積のみならず、境界標の種類や所在位置、対象となる土地の形状が分かります。
  • 建物図面・各階平面図:建物図面は原則500分の1、各階平面図は原則として250分の1の縮尺です。どちらも建物の新築・増築等による表題登記、床面積の変更や更正の登記、建物の分割・区分・合併の登記等の申請時に添付されます。それらの写しの取得により、登記されている建物の形状や面積が分かります。

 

次回は『調査の手順と登記記録の確認』をご紹介します。

 

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