不動産コラム【R6/3/13】「重要土地等調査法」とはなにか?

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重要土地等調査法:重要事項説明で説明を要する法律として追加

「重要土地等調査法」とは?

2022年9月20日より、「重要土地等調査法(重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律)」が、宅建業法の重要事項説明で説明を要する法律として追加されています。

これまで、国境離島や防衛関係施設周辺等の土地の所有・利用をめぐっては、かねてより、安全保障上の懸念が示されてきました。本法は、安全保障上の重要施設[※]や国境離島等の機能を阻害する土地・建物の利用を防止する為に策定されました。具体的には

●注視区域・特別注視区域の指定

●注視区域内にある土地・建物の利用状況の調査、利用の規制

●特別注視区域内にある土地・建物について、契約の届出

等の措置を定めています。

[※]重要施設とは・・・自衛隊の施設や米軍の基地、海上保安庁の施設、国民生活に関連する施設(主に原子力関係施設や空港)で、その機能が失われると国民の生命、身体、財産に重大な被害が生じる恐れのあるもので、政令で指定されるもののことです。

注視区域及び特別注視区域の指定

●注視区域とは、重要施設の敷地の周囲おおむね1,000mの範囲内の区域や国境離島等の区域で、その区域内にある土地・建物が機能阻害行為の為に使用されることを特に防止する必要があるものを「注視区域」として指定しています。

国は、注視区域内にある土地・建物を利用して機能阻害行為が行われることを防止する為、それらの土地・建物の所有者、賃借人等の利用状況を調査します。また、機能阻害行為が行われた場合などには、土地・建物の利用者に対して必要な措置をとるべき旨の勧告・命令・買い入れを行うことができます。

●特別注視区域とは、重要施設や国境離島等の機能が特に重要、またはその機能を阻害することが容易で、その機能の代替が困難である場合は、注視区域を「特別注視区域」として指定しています。

 

2023年10月の時点では、北海道、青森県、東京都、新潟県、石川県、鳥取県、島根県、高知県、長崎県、鹿児島県、沖縄県計11都道県で指定されており、今後は全国で600か所程度が指定される見込みとされています。

(大分県内は現在指定されていません。)

政府による私権の制限をもたらすことから、当初は国境離島等の区域から指定が始まっていますが、将来は市街地にある自衛隊の施設や米軍基地等も指定される可能性が考えられるので、注意が必要です。

所有権移転等の契約は国への届出が必要

「特別注視区域」内にある土地・建物については、200㎡以上の土地・建物(建物は延床面積)の売買契約(予約を含む)を締結する場合、当事者は国への届出が必要となります。届出事項には、主に氏名または名称(法人は代表者の氏名も)、住所、国籍、土地・建物の所在、面積、取引内容、利用目的等が含まれています。

(届出は、土地・建物の取引自体を規制するものではありませんが、重要土地等調査法を違反した場合、懲役や罰金等の罰則があります。)

 

 

 

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