不動産コラム【R7/9/16】マンションの大規模修繕 ⑤修繕工事後のチェックと記録の活かし方

公開日:

カテゴリー:

大規模修繕は数ヶ月に及ぶ工事を経てようやく完了します。住民にとっては「やっと終わった」という安堵感が大きい時期ですが、実は工事完了後の対応こそ、次の修繕やマンションの資産価値に大きく影響する大切なステップです。
大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばし、長期的なコストを抑える効果があります。
さらに、耐震補強工事やバリアフリー化工事を組み合わせることで、建物の安全性や利便性を高め、居住者の満足度を向上させるとともに、建物の価値を更に高めることができます。
今回は、工事完了後に必ず確認しておきたいポイントと、その記録をどのように活かしていくかについてご紹介します。

工事完了後に行うべきチェック

1. 竣工検査への参加
工事が終わると、施工会社・設計監理者・管理組合立会いのもと「竣工検査」が行われます。
不具合や施工漏れがないかを確認する大切な機会です。可能であれば理事や修繕委員だけでなく、住民の代表も立ち会いましょう。
 ●チェック例:
  * 外壁のひび割れや塗装のムラはないか
  * 防水工事の仕上がりは適切か
  * 共用部(エントランス・廊下・階段など)は清掃されているか

2. 手直し工事の確認
竣工検査で指摘事項が出た場合、施工会社に「是正工事」を依頼します。完了後も再度確認を行い、書面で報告を受けておくと安心です。

3. 保証内容の把握
工事には部位ごとに保証期間が設けられています。防水は5~10年、塗装は5~7年など、部位や工事内容によって異なります。保証書をきちんと保管し、期間や条件を把握しておきましょう。

 

記録を残すことの重要性

工事が終わると「もう忘れても大丈夫」と思いがちですが、記録を残すことは将来に大きな意味を持ちます。

●修繕履歴の保存
 工事内容・費用・施工会社・保証内容を一覧化していると、次回の修繕時に参考にできます。

●写真記録
 工事中・工事後の写真は、施工内容を確認するだけでなく、将来売却時に「きちんと修繕された物件」と示す根拠になります。

●議事録・報告書の共有
 工事後の総会や住民向け報告資料を残すことで、新たに入居する住民にも修繕履歴を伝えることができます。

記録をどう活かすか

1. 次回の修繕計画づくりに役立てる
前回の工事記録をもとに、「どこにどれだけ費用がかかったか」「住民からどんな要望や苦情があったか」を整理することで、より現実的でスムーズな長期修繕計画を立てられます。

2. 購入希望者への安心材料に
将来的に売却を考える際、修繕記録がしっかり残されているマンションは「管理が良好」と判断されやすく、資産価値の維持にもつながります。

3. 居住者間の共有財産として
修繕記録はマンション全体の「共有財産」です。記録を透明性高く管理・公開することで、住民同士の信頼関係を深め、次の工事への協力も得やすくなります。

修繕は「終わり」ではなく、「次へのバトン」

大規模修繕は工事が終わった瞬間に完結するものではありません。
完了後のチェックや記録の保管・活用こそが、次世代の住民にとっての大きな財産になります。
また、大規模修繕工事は単なる修繕にとどまらず、耐震補強やバリアフリー化といった付加的な改修を組み合わせることで、建物の安全性や利便性を高め、長期的なコストを抑えながら資産価値をさらに向上させることが可能です。
購入希望者にとっては安心の判断材料となり、売却希望者にとっては資産価値の裏付けに。
そして、住み続ける方にとっては、将来の暮らしを守る備えとなるのです。
大規模修繕について「正しく知る」ことが、住まいの安心と価値を守る第一歩となることを願っています。

 

弊社では不動産に関する経験豊富なスタッフが丁寧にご説明、お手伝いをさせていただきます。

不安や疑問等がある場合は、是非ご相談ください。

 

大分の不動産売却のことならオンリーワンへ★