不動産トラブル【10】説明義務(天井高)

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新築の分譲マンション完成前販売住戸について、図面集の交付だけでは説明義務違反となりますか?

Question

Aは、新築のタワーマンションの分譲事業者であるZから、マンション完成前にマンションの1室を購入しました。売買契約前に、Zは、Aがモデルルーム訪問時、マンションの図面集を交付し、同図面集には、ベッドルームの天井の一部が下り天井になっている場合があると記載され、各タイプの平面図および天井高表が掲載されるとともに、平面図には下り天井部分の範囲とその高さが明記されていました。またZはAに対し、図面集の注意書き部分を一読するように促した重要事項説明の事前説明文書も交付しました。

しかし売買契約を締結した後、マンション引き渡し前の内覧会で室内を見学した際に、Aは、圧迫感を感じるほどのベッドルームの天井の低さに驚き、このような重要な事実について、Zが図面集を交付するのみで、具体的な説明義務を起こったとし、Zに対し、損害を賠償するように求めました。

これに対しZは、下り天井について図面集を交付して正確な情報提供を行い、適切に説明したから、損害を賠償する必要がないとして争っています。

 

Answer

説明義務違反となりませんが、できるだけ丁寧な説明を心がける。

当該不動産事業者には、買主の意思決定に際して重要な意義を持つ事実について正確に説明を行うべき信義上の義務があり、これを怠った場合には、不動産事業者は、買主に対し、不法行為に基づく損害賠償責任を負担します。しかし本事例で、ZはAに対し、マンションの図面集でベッドルームの天井の一部が下り天井になっている場合があると注意喚起するとともに、各タイプの平面図及び天井高表を掲載し、平面図に下り天井部分の範囲とその高さを明記して下り天井の状況を正確に図示しています。

またZは重要事項説明の事前説明文書を交付して、図面集の表記に注意を促す手立ても講じています。ですから、Aの意思決定に必要な正確な説明を行ったと評価することが出来ます。

よってZはAに対して損害を賠償する必要はありません。