不動産トラブル【13】説明義務・契約不適合責任(液状化)

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大地震で購入した敷地が液状化!販売した不動産会社に責任は?

Question

買い主Aは、平成14年頃、埋立地に建つ木造の住戸(以下「本件住戸」)を不動産業者Zから購入しました。Zは、本件住戸を販売するにあたり、建設事業者にボーリング調査を依頼し、「宅地造成地に対する液状化の可能性は低い」という判定を得ていたため、液状化に対する特段の対策をしていませんでした。その後、平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、本件住戸が立つ地区では最大震度5強の揺れを観測し、以後も余震が多数回発生。これにより、本住戸の敷地に液状化が発生し、建物が傾いてしまいました。

そこでAは、Zに対し、本件住戸の敷地が地震により液状化する可能性がある中で地盤改良工事を実施せず本件住戸を販売したことが不法行為であること、および本件住戸の敷地に瑕疵がある事主張し、損害賠償を請求しました。

   

Answer

損害賠償責任を負うことはありませんが、今後は液状化リスクを把握して説明し、契約内容に反映させることが望ましいでしょう。

本事例の同様のケースで東京地裁平成26年10月31日判決では、宅建事業者が住戸の販売にあたり液状化現象を防止するための地盤改良工事を実施しなかったことについて、不法行為は成立しないと判断しました。その理由としては、東日本大震災が過去に液状化被害をもたらした他の地震とまったく異質の規模である(地震動の継続時間が約2分と長く、多数の余震もある)ことから、不動産業者において販売当時に震度5強の地震を予見できたとしても、東日本大震災のような地震の発生まで予見することが出来なかったことが挙げられています。

また、買主は本件住戸の敷地に瑕疵があるとして瑕疵担保責任も主張しています。瑕疵担保責任とは、売買目的物に隠れた瑕疵がある場合に売主が買主に対して負担する責任を言います。本件住戸の敷地の瑕疵について、前記裁判例は、東日本大震災が販売当時に予想できない規模であったことから、このような特殊な地震が発生しても液状化しない品質・性能が予定されていたとはいえないとして、瑕疵がないとしました。したがって今回の相談における販売当時の状況に照らすと、Aによる損害賠償請求は認められないと考えられます。