不動産トラブル【3】募集賃料と実際賃料との混同

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投資物件用の募集家賃を実際家賃と誤認。

Question

Aは転売を目的としてマンションを購入しようと考えました。

Aが購入を検討したマンションは賃貸事業者Cに賃貸され、Cはこれを第三者に転貸していました。

Aは転売先がCとの賃貸借契約の解約を希望していたため、仲介をした不動産会社Zに対し、賃貸借契約の解約の可否と、Cと第三者間の転貸賃料の金額について照会しました。

Zは、Aの照会を受け、Cに転貸賃料を尋ねましたがCからの回答は得られなかったので、売主Bに転貸賃料を尋ねたところ、募集家賃が月額8万9000円との回答を得られました。そこでZは、「募集家賃は月額8万9000円である」とAに回答しました。

ところが、売買契約締結後、Aが、Cに転貸賃料の開示を求めたところ、月額賃料が7万3000円、管理費8000円であることが判明しました。

そこでAは、転貸賃料の金額は重要事項として説明義務の対象であるところ、当該金額の説明に誤りがあったから説明義務違反があるとして損害の賠償を求めました。一方のZは、転貸賃料の金額は重要事項ではないから損害を賠償する必要がないと争っています。

  

Answer

仲介業者が説明義務違反で損害を賠償しなければなりません。

売買の目的である不動産の所有者が賃貸借契約を締結し、さらにその賃借人が賃貸人の承諾を得て転貸借契約を締結している場合でも、賃貸人が得ることができる賃料は賃貸借契約に基づく賃料に限られます。

ですから、一般的には転貸借契約における転貸賃料は重要事項には当たりません。もっとも仲介契約上、転貸賃料を重要事項とする明示または黙示の合意がある場合は、転貸賃料も説明義務の対象になります。

【重要事項の説明の可否】→購入希望者の契約目的・取引物件の属性・取引経過等を考慮して判断されます。