不動産トラブル【7】説明義務(管理組合の財務状況)

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管理組合の財務悪化は「隠れた瑕疵」にあたる?

Question

買主Aは、不動産会社Zから既存のマンション居室を6,450万円で購入しましたが、後日当該マンションの管理組合は、約370万円の赤字決済や、約220万円の積立勘定から一般勘定への振り替えなどの財務上の課題を抱えていたことなどが判明しました。(なお、マンションの大規模修繕工事等を実施する予定はありませんでした。)

そこで、Aは、マンションの管理組合の財務状況が悪化していることが隠れた瑕疵に当たるとしてZに売買契約の解除を求めました。しかし、Zは、マンションの管理組合の財務状況に課題があることは隠れた「瑕疵」には当たらず、契約解除は認められないとして争っています。

Answer

改正民法では契約不適合責任を追及される可能性があります。

改正民法が令和2年4月1日にから施行されましたが、改正前の民法第570条、第566条は、売買の目的物に隠れた瑕疵があり、そのために契約の目的を達することができない場合は、買主は売買契約を解除することができると規定していました。

本事例でAが主張しているマンションの管理組合の財務状況が悪化していることが隠れた瑕疵に当たれば、買主による売買契約の解除が認められる可能性があります。しかし、そもそもマンションの管理組合の収支は、支出軽減等の改善策の実施により変動する流動的なものといえます。また、売買契約締結当時において、マンションの大規模修繕工事等を実施する予定はなく、Aに臨時負担金等の負担が課される可能性が具体的にあったとはいえません。これらのことからすると、Aが主張しているマンションの管理組合の財務状況が悪化していることは隠れた瑕疵に当たるとはいえません。

※既存マンションの管理組合の財務問題は、マンションの管理事業者が作成する「重要事項調査報告書」を確認すれば、ある程度調査することができます。重要事項調査報告書には、売買の対象となる居室の管理費・修繕積立金の改定予定、マンション全体の滞納金額や大規模修繕工事の実施予定等も記載されています。